<感動巨編>長野遠征レポート

「第37回全日本生涯野球大会」“おとうさんの甲子園”が今年も長野を舞台に6月7、8日に開催され、コメッツからは代表選手22名と応援団1名が参加しました。

心配された天気も今年は2日間ともに、恵まれ良好なコンディションの球場で2日で3試合存分に野球を楽しみました。

今回は多くの初参加メンバーが手を挙げてくれ、年代別のリーグ登録で久々の2チーム派遣ということになりました。

Aチームが久保田監督の下40代50代60代混成リーグに出場し、2勝1敗で準優勝!B
チームが川嶋監督の下60歳以上のリーグに出場し、3戦全勝で優勝!という素晴らしい成績を収めました。

クラブを代表して参戦しますので真剣に優勝を目指しますが、すべてに優先させるわけではなく、参加メンバー全員が楽しむことを趣旨としており、その通りの遠征になったと感じています。

行き帰りのバスの車内や宴会そして温泉にと、普段とは違った時間を愉快な仲間たちと過ごし、今年もあっという間に過ぎた楽しい2日間となりました。

これまでの長野遠征の様子、記録もホームページ「対外試合」に掲載されています。今年参加を見送った会員の方も年齢や野球の技量を問うものではありませんので、来年は是非参加していただき、ともに楽しい時間を過ごしましょう。

代表幹事 石井啓之

プレー写真
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Aチーム第1戦 vs御代田OBクラブ(長野県)1-7●

長野遠征参加の皆さん、ご苦労さまでした。楽しかったですね〜。

Aチームは、初参加の方が7名。監督として野球の勝負はもとより、いかに楽しんでもらうかを重点に道中から試合中通して行動しました。答えとしては、こりゃオモロイ!来年も参加したいなあ〜と、思っていただけたら、長野遠征行事に貢献出来たかな〜と、思います。

馬目キャプテン、もろもろ相談に乗ってもらいありがとうございました。また、廣田スコアラー助かりました。自身は肩の不調もあり不安でしたが、2試合先発投手出来て楽しかったですね〜。成績は2勝1敗。勝ち越したので、良かったですね〜。

Aチーム監督88久保田

[第1戦]

早目の到着と暑さのため木陰で涼をどうにか取り、午後の暑さ厳しい試合に臨みました。

対戦相手は御代田OBクラブ、長野県のチーム。投手力、打力共に素晴らしく全体的に押された試合でした。

東京コメッツAチームは初回、ツーアウト後、3番清水誠が特大の2塁打。続く4番打者上村は綺麗に1・2塁間をゴロで破り、あざやかに1点先制しました。

先発は監督久保田。初コンビの上村捕手の好リードや、ショート清水誠の頭脳的故意落球もどきスレスレプレーもあり、3回を0点に抑えました。

4回から坂本が登板。4安打と四球、味方のエラーもあり、5点を失い逆転されました。しかし、ボールには勢いがあり明日に期待が持てました。

Aチームは頑張りましたが2回以降廣田の綺麗なセンター前ヒットの1安打におさえられ、最終回となった5回は清水誠投手も2失点し1-7敗戦となりました。

暑さ厳しい試合で、相手は投手を2イニングで区切り、3人をうまくつないでいました。

長旅&暑さの試合、Aチームの皆さんご苦労さまでした。

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Bチーム第1戦 vs千葉スパローズ(千葉県)8-5◯

グラウンドに降り、マネージャーのふじこは大きく息を吸い込んだ。長野特有の乾いた風が、素肌に心地よい。「今年はいくつ勝てるかな・・」これから始まる2日間の戦いに想いを馳せ、ふじこはふっと空を見上げた。爽やかな青空がチームを見守ってくれているような気がした。

これは、Bチーム12名の戦士たちが起こした奇跡の物語である。全勝優勝という結果に加え、3試合すべてで逆転劇を演じた彼ら。中でも、最も熾烈を極めた第3戦は、2006年夏の甲子園、帝京VS智弁和歌山の戦いを彷彿させる壮絶な打撃戦となった。今回は、その試合を中心にリポートする。

[第1戦]

終わってみれば、8対5というスコア以上に完勝だった。2点ビハインドの2回、打撃陣が火を噴いた。11人連続出塁の猛攻で一気に7点を奪って逆転。3回には、#10嶋村の柵越えHRまで飛び出した。「とりあえず1勝。」ふじこは、ほっと胸をなでおろした。失点に絡むエラーもあった。大事な場面での三振もあった。しかし、「勝てばそのすべてが、夜の宴席の笑い話になるんだ。」Aチーム監督の久保田は、苦いビールを煽りながらそう呟いた。

プレー写真
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Aチーム第2戦 vsワンカップ(長野県) 2-1◯

[第2戦]

対戦相手はワンカップ、長野県のチーム。昨日前試合で偵察はできていましたが、少しメンバーが入れ替わったような印象です。予想に反し投手戦となり、スリリングな試合展開となりました。

Aチームは、1番清水誠の安打と盗塁、2番久保田の右中間2塁打で今日もあざやかに1点先制。しかし後続の河村、廣田連続三振で追加点が取れませんでした。

2回も先頭7番坂本は特大のレフトオーバー2塁打で出塁。氏家の投手ゴロの間に3
進し、8番清水治はこれまた投手ゴロ。なんと坂本はホームへ、ヘッドスライディング〜。どーーん、間一髪セーフ!貴重な2点目をもぎ取ります。

先発の久保田は先頭打者を2回出しましたが、セカンドオーバーラン河村ビックリタッチでアウト!などラッキーもあり、また、硬〜い(笑)守備に助けられ0点で切り抜けました。サード金井が4回の守備機会を無難にこなした事も大きかったと思います。

4回から投手は清水誠。四球のランナーが転倒のラッキーもありましたが、次打者に四球。その後センターへの2塁打で1失点しましたが、次の2人の打者をいずれもセカンド河村へのゴロで切り抜けました。

Aチームは4回から代わった速球派投手に1安打と抑えられます。

5回、この試合最大のヤマ場が来ました。

投手清水誠は2塁打、ヒット、四球でノーアウト満塁のピンチ。

しかし元来の負けじ魂を発揮かギアを上げ、投手フライ、三振、ラストはショート金井へのゴロでランナータッチアウト。両チームより「ウヒョ〜」と明暗分かれた声が上がります。清水誠投手はドキドキ満塁ピンチをニコニコで切り抜けました。流石です。(自作自演という噂も笑笑)

最終回もワンアウト1・2塁のピンチを切り抜け、長野遠征1勝を上げました。

先制から〜の接戦。絶体絶命のピンチを守り抜いたスリリングなナイスゲームでした。よくやりました!

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Bチーム第2戦 vs福光ヴィガーズ(富山県)6-3◯

[第2戦]

この日も、投手陣は完璧だった。剛腕#79葛谷が相手打線をねじふせる。リリーフ#83伊藤が内野ゴロのヤマを築く。6回を2失点でしのいだ。しかし、この日は打線が沈黙した。1回から6回まで、スコアボードに0が並ぶ。0対2のまま迎えた最終回も2アウト。(走者2・3塁)あと1死で試合終了というところで、打線が爆発した。ローテーション打順で8番に入っていた#90数見(本来は不動の1番)から6者連続出塁で逆転。6対3で薄氷の2勝目。2試合連続の逆点勝ちだが、これはまだ、奇跡のドラマの序章に過ぎなかった。

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Aチーム第3戦 vs千葉ふれあい(千葉県)11-2◯

[第3戦]

相手チームは、千葉ふれあい。以前長野遠征で対戦したことがあります。

Aチームは本日ローテーション打順で臨みました。

2番清水治の死球から3進しますが無得点。ここでは初回得点なりませんでした。

先発は氏家、遠征前の怪我が心配されましたが、やはりコントロールが定まらず5球で交代となってしまいました。本人も遠征前から登板を楽しみにしていた模様で残念に思います。

その初回ノーアウト2塁のアクシデント、急遽リリーフはサウスポー竹谷!次打者はセンターへの大飛球。センター清水治は見事にキャッチ!

捕手馬目のリードでスローボールを駆使し初回0点、火消しに成功。

ベンチ大盛り上がり、氏家のアクシデントを救いました。竹ちゃんコールでベンチへ迎えます。

流れを呼び込みたいところ、2回清水誠の内野安打と上村、河村の四球で満塁とし、氏家のセカンドゴロエラーで2点目が入りました。

尚もツーアウト2・3塁から1番坂本が値千金のレフト前2点タイムリーで4点目を入れました。

流れよく竹谷続投。結局竹谷は3回を2安打2失点の好投、味方もビックリ!詳細はビデオで!

Aチームは続く3回打線が遂に爆発。馬目ー清水誠ー久保田ー上村の4連打。廣田のセンター横2塁打も出て一挙5点、9点目が入ります。

最終回の5回には嬉しい河村の長野遠征初安打も飛び出しました。

竹谷ー坂本と投手をつなぎ、ラストは元気印清水誠が三振で決めました。守っては通算7
回の守備機会を華麗に守り切った金井と、3試合すべてセンターフル出場の清水治の守備力も光りました。

11-2でAチーム勝利しました。

まさに、全員野球の勝利でした。

勝利投手は、竹ちゃんこと竹谷。

通算成績2勝1敗。

皆さん、お疲れ様でした。


ー ー ー


試合後、Bチームの試合会場へバスで向かいました。

バスの中でAチーム2連勝の余韻にどっぷり浸り、Bチームが連敗していたら喜んじゃ悪いかなあ〜とか騒ぎつつ、車窓から優勝旗を手にしているBチームを見て、さ〜っと冷めていく、覚めていく、Aチームでした。。。

皆さん、合計5勝1敗。大変良い成績でした。

お疲れ様でした。

Bチーム第3戦 vs都留ドリーム(山梨県)9-8◯

[第3戦]

優勝のかかるこの試合、戦いは試合開始前から始まっていた。「監督、ローテーション打順はもうやめましょう。」

いつになく固い表情でマネージャーのふじこが言う。その言葉に触発されたように選手たちが次々に言い出した。

「そうですよ。」「打席数なんか公平じゃなくてもいいです。」その時、普段は勝ちにこだわらない#77大畠が静かにつぶやいた。

「俺たちは遊びに来たんじゃない。勝ちに来たんだ。」その言葉で、12本のベクトルの向きが、1点に集中した。

1回表。「誰も踏んどらんマウンドに立つんは最高じゃ。」先発を任された#1山田が広島言葉でつぶやく。気分上々で簡単に一死を取ったものの、気負いが先に立ってストライクが入らない。フォアボール、ヒット、エラーなどで4点を失いあえなく降板。

マウンドを#83伊藤に譲った。この伊藤が一死満塁のピンチを2者連続の空振り三振(3者残塁)に仕留める。その裏#9川嶋が、彼自身10年に1度あるかないかという長打を放ち、一死2塁のチャンス。打席に向かうのは肩の負傷をおして出場する#86佐藤。「守れへん自分を3番に起用してくれた監督への恩返しや。」強い気持ちで叩いた打球はライト頭上を高々と越えるタイムリー2塁打。さらに山田のタイムリーと続き、1回を終了した時点で2対4とした。

2回表。マウンドの伊藤は2点を献上するも、満塁のピンチを何とか抑えてまたしても3者残塁。緩急織り交ぜた変幻自在のピッチングが冴える。その裏、先頭の#19石井がフォアボールで出塁、絶妙な選球眼がこの回の同点劇の基盤を作った。

続く#10嶋村がヒットでつなぎ、打席に立ったのはこのシリーズ最も当たりの出ている極太バットの#34広中。

「バントしろ、バント。」というベンチからのヤジとは裏腹に綺麗にセンター前に弾きかえして3点目のタイムリー。続く#26近藤は芯でとらえたショートゴロを放つも、相手ショートの好捕に阻まれ一死。その後、伊藤のタイムリーなどで1点差に詰め寄ってなおも2死満塁。この時、相手バッテリーの一瞬の隙をつき(記録はWP)3塁走者#90数見が本塁突入、古希を過ぎていまだ衰えを見せない俊足で1点をもぎ取り、ついにスコアを6対6の同点に押し戻した。

3回表。「監督、次の回から俺投げますよ。」普段は自身の登板に関して控えめな#79葛谷が、自らの登板を願い出る。川嶋が時計を見た。

残り30分、際どい。昨日から連投を強いている葛谷の肩がどこまでもつか・・しかし、川嶋の決定に迷いはなかった。「葛谷で負けたら本望。」期待通りに葛谷の右腕がうなりを上げる。3人をピシャリと抑え、逆転の足がかりをつくった。

その裏、2死3塁のチャンスで打席に立ったのは、第1戦で柵越えHRを放っている嶋村。ベンチの期待を一身に集めたバットで振り抜いた打球はセンターオーバーのタイムリーツーベース。ついに1点を勝ち越して、Bチームは7対6で最終回の守りについたのである。

4回表。(最終回)やはり、葛谷の肩は限界を超えていた。この回、先頭の2番打者にライトオーバーのHRを浴びて同点。その後も、ヒット、フォアボールなどで逆転を許してしまう。「すまん。」普段、毒舌しか吐かない葛谷の口から、めずらしく弱気の言葉が溢れる。しかし、なんとかこの回を2失点でしのぎ、ゲームはいよいよ激動の最終回に突入する。

最終回。7対8。わずか1点のビハインド。打順は1番、俊足数見からの好打順だ。そのとき、普段は冷静な名マネージャーふじこが叫んだ。

「何のためにローテーション打順を崩したの?1、2番がなんとか出塁してよ!逆転しようよ!」その叱咤が効いたのか、1番数見、2番川嶋、3番佐藤が執念の3者連続出塁。ローテーション打順を崩した効果がじわじわと効いてくる。続くバッターは、4番でエースの葛谷。執念の1塁強襲タイムリーでまず同点、なおも無死満塁。「これで負けはなくなったぞ!」「おい、ヤマちゃん、男になれ!」歓喜と興奮に沸くベンチの声を背に受け、次打者山田の心は冷静だった。

「わしの1投から始まったこの試合じゃけん、わしの一発で終わらしたる。ヒーローになるんはわしや。」気合一発、振り抜いた打球は、気持ちを乗せてフラフラとセンター前へ・・相手センターが俊足をとばしてボールに喰らいつく。3塁走者川嶋は、タッチアップの体勢。タイミング的には一か八かだが、心は決まっていた。

「俺の足で決めてやる!」サヨナラのヒーローは山田の一打か、川嶋の足か?センターが追いつき、川嶋が絶妙のスタートを切った刹那、ボールは前のめりになったセンターのグラブに当たり、ポロリと地面に溢れたのである。(微妙ながら記録はエラー)スコア9対8。ヒーローなしのサヨナラエラー。だが、「誰がヒーローか」など、もうどうでもよかった。サヨナラゲームで3連勝。全勝優勝のおまけつき。

興奮冷めやらぬまま、相手チームとの礼を交わす11名の選手たち。ベンチワークに徹したマネージャーふじこの視線の先には、歓喜の声を上げながら相手チームへのエールを送る選手たちの姿があった。「フレー、フレー、ドリーム!」ふじこは、その光景が少しずつ滲んでくることに気づき、ポケットのハンカチをそっとまぶたにあて、こうつぶやいた。「ありがとう。これだから長野はやめられない。」

以上、長野Bチームの試合レポです。多少の誇張はありますが、事実です。もちろん、レポートでは書ききれなかった長野ならではの好プレー、珍プレーもたくさんありました。詳しくはビデオをご覧ください。


編集後記(監督メッセージにかえて)

「チッ。」バーJ.Bridgeのマスターがすすめるスコッチをなめながら、私は思わず舌打ちをしてしまった。長野野球の幹事長である石井氏から、選手編成名簿がスマホに届いた時のことである。おまけにこんなメッセージが添えられていた。「目標は、あくまでも優勝です。」選手の平均打率は.180。東京大学野球部より低い。「どうやって優勝しろって言うんだよ。」つぶやきながら私は、強めに割ったスコッチを飲み干した。しかし、その数週間後に、メンバーとともに長野野球の面白さを満喫し、優勝まですることになるとは・・・。大会を終えた今、あの時の舌打ちを後悔し、己の見識の浅さを猛省しています。一球一打に全力を尽くし、我が青春を取り戻したかのようにひたすら白球を追い求めたBチームの戦士たち(マネージャー含む)に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。物語に登場するマネージャーふじこの最後の言葉、「ありがとう。これだから長野はやめられない。」これが長野の全てを物語っています。

末筆ながら、幹事を務めてくださった石井さん、会計を務めてくださった近藤さん、そして、監督としてともに戦ったAチームの久保田監督に深く感謝申し上げます。

Bチーム監督 #9 川嶋

プレー写真
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